グリーン水素を東京から
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施設紹介
施設紹介
山梨県と共同開発した、水から水素をつくる水電解装置(Power to Gas(P2G)システム)は、従来の3分の2の設置面積で、1時間に最大120㎥(摂氏0度、大気圧の状態)の水素をつくれる小型で効率的な設備です。広い土地の確保が難しい東京でもあらゆる水素需要に適合する実用的な水素製造ができることを示すモデルです。

敷地面積:2,246平方メートル
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水電解装置 Power to Gas(P2G)システム
水素室には、500kW級の固体高分子(PEM)型水電解装置が入っています。水を電気分解して、1時間に100㎥(最大120㎥)の水素(0度、大気圧の状態)を製造することができます。
電解質膜:東レ株式会社製
水電解装置:カナデビア株式会社製
システム統合:株式会社やまなしハイドロジェンカンパニー、東京電力グループ
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脱酸素塔・ドライヤーユニット
水を電気分解すると、水素に加え酸素も生まれるため、水素には水分やごくわずかな酸素が含まれます。パラジウムというプラチナの仲間の金属が触媒となり酸素を取り除き、次にゼオライトが水分を吸着することで、乾燥し酸素も含まれない純度の高い水素になります。

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水素ホルダー
ドライヤーユニットを通ってきた水素を一時的に貯留します。これにより一定で安定した水素を圧縮機に送り込みます。バッファータンクとも言われます。

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水素圧縮機
水素を圧縮して高い圧力にする設備です。1時間に最大390㎥の水素(0度、大気圧の状態)を19.6MPaの圧力に高めることで、約200分の1の体積に圧縮することができます。 高圧ガス保安法に基づく安全確認がなされており、許可されている処理能力は一日あたり8,290㎥(0度、大気圧の状態)です(令和7年8月13日付7環改保高第40号)。
水素圧縮機:株式会社加地テック製

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出荷エリア
火炎検知器や水素検知器により常時安全のため監視を行っています。また、圧縮容器が高温になる場合はスプリンクラーによる散水を行います。 こちらも高圧ガス保安法に基づく安全確認がなされており、許可されている水素の貯蔵量は6,279㎥(0度、大気圧の状態)です(令和7年8月13日付7環改保高第40号)。

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圧縮水素カードル
小型のボンベが30個まとめて固定された1.5㎥の集合容器です。約260㎥(0度、大気圧の状態)の水素を保管できます。 本施設には4台の圧縮水素カードルがあります。
圧縮水素カードルの詳細な仕様
- ① 最高充填圧力19.6MPa
- ② 水素ボンベ横6本×縦5本組
- ③ 水素ボンベの総内容積は50L×30本で1,500L
- ④ 100 NL/min 以上で水素の充填、吐出しが可能
- ⑤ 容器ごとに容器元弁あり
- ⑥ 集合主管にストップ弁あり
- ⑦ ブルドン管圧力計(元弁含む)によりガス残量を確認可能
- ⑧ 安全弁(元弁含む)あり
- ⑨ 前面のストップ弁、圧力計等の突出部を保護するための開閉式の枠及び扉あり
- ⑩ 水素の充填口、吐出し口の取合いは次の2種類あり
●充填口1
品名 W34山、左12
型式 株式会社ハシダ技研工業 TA-0129同等品●充填口2
品名 カプラ
型式 日東工器株式会社 HSU-3P同等品 - ⑪ 吊り金具を設け、クレーンで移動可能
- ⑫ 車両に適切に固定することが可能で公道運搬可能
- ⑬ 総重量2.4 トン以下
- ⑭ 外寸は W:H:D=1636:1565:1852 mm
- ⑮ 水素ボンベに日が当たらないように上面、側面、後面に金属板あり
- ⑯ 耐圧気密試験実施済

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圧縮水素トレーラー
長尺のボンベが21個まとめて固定された14.7㎥の集合容器です。最大で約2,600㎥(0度、大気圧の状態)の水素を保管できます。 牽引するための特殊なトラック(トレーラーヘッド)に連結して、水素を利用する場所に運んで使われます。本施設で製造する水素の運搬のため2台の圧縮水素トレーラーを準備しています。
圧縮水素トレーラーの詳細な仕様
車両の仕様
- ① 平床セミトレーラー
- ② 全長:9,335 mm
- ③ 全幅:2,490 mm
水素容器の仕様
- ① 最高充填圧力19.6MPa
- ② 水素ボンベの総内容積は700L×21本で14,700L
- ③ 100 NL/min 以上で水素の充填、吐出しが可能
- ④ 容器ごとに容器元弁あり
- ⑤ 集合主管にストップ弁あり
- ⑥ ブルドン管圧力計(元弁含む)によりガス残量を確認可能
- ⑦ 安全弁(元弁含む)あり
- ⑧ 前面のストップ弁、圧力計等の突出部を保護するための開閉式の枠及び扉あり
- ⑩ 水素の充填口、吐出し口の取合いは次の2種類あり
充填口1
品名:W34山左12
型式:株式会社ハシダ技研工業 TA-0129同等品
充填口2
品名:カプラ
型式:日東工器株式会社 HSU-3P同等品 - ⑫ 水素ボンベに日が当たらないように上面、側面、後面に金属板あり
- ⑬ 耐圧気密試験実施済

水素の品質
当施設の水素の品質は以下の通りです。
国際規格 ISO 14687:2025 Grade-D
成分分析:株式会社 巴商会 技術本部 横浜研究所
サンプリング実施日:2025年9月8日
サンプリング箇所: 東京都京浜島グリーン水素製造所 充填ユニット内検査弁
| 分析項目 | 単位 | 規格値 | 分析機器 | 合否判定 |
|---|---|---|---|---|
| O2 | [ppm] | <5 | GC-MS | 合格 |
| N2 | [ppm] | <300 | GC-MS | 合格 |
| Ar | [ppm] | <300 | GC-MS | 合格 |
| He | [ppm] | <300 | GC-TCD | 合格 |
| CO | [ppm] | <0.2 | GC-FID | 合格 |
| CO2 | [ppm] | <2 | GC-FID | 合格 |
| メタン | [ppm] | <100 | GC-FID | 合格 |
| 非メタン ※1 | [ppm] | <2 | GC-FID、IC | 合格 |
| HCHO(ホルムアルデヒド) | [ppm] | <0.2 | HPLC | 合格 |
| 総ハロゲン化合物 ※2 | [ppm] | <0.05 | IC | 合格 |
| NH3 | [ppm] | <0.1 | IC | 合格 |
| 全硫黄 ※3 | [ppm] | <0.004 | GC-FPD | 合格 |
| H2O ※4 (露点) |
[ppm] ([℃]) | <5 (<-66) |
露点計 | 合格 |
※1 測定値は、分析機器(GC-FID)を用いてC2~C5の分析条件にて測定した値(C1換算)および、分析機器(IC)を用いてHCOO-の分析条件にて測定した値の合算値
※2 F-,Cl-,Br- の合算値
※3 分析機器(GC-FPD)にて検出したピーク(COS,H2S,CS2,CH3SHの測定条件)をH2S換算した半定量分析とした
※4 露点における飽和水蒸気圧(JIS Z 8806:2001)より算出した
